イーサネット・デスクトップ・ハブは、10BASE-T ワークグループ・ハブです。 ワークグループ・ハブは、リピーターとも呼ばれます。 イーサネット・デスクトップ・ハブは、IEEE 802.3 10BASE-T (10BASE-T) の リピーターに関する仕様に適合しています。 この用語の中の "T" は、シールドなし対より線 ( UTP)、 シールド付き対より線 ( STP)、またはフォイル付き対より線 (FTP) のケーブルがネットワーク内の装置の接続に使用されていることを 示しています。 図 1 は、IBM 8242 イーサネット・デスクトップ・ハブ モデル 008 の図です。 図 2 は、IBM 8242 イーサネット・デスクトップ・ハブ モデル 016 の図です。イーサネット・デスクトップ・ハブを使用すれば、 小規模 10BASE-T ネットワークを構築することができます。また、 この 10BASE-T ネットワークを以下のタイプの IEEE 802.3 ネットワーク・セグメント に接続することもできます。これらのネットワーク・セグメントは、 それぞれ異なるタイプのケーブルを使用します。
AUI インターフェースの接続については、 図 4 を参照してください。
図 1. IBM 8242 イーサネット・デスクトップ・ハブ モデル 008
図 2. IBM 8242 イーサネット・デスクトップ・ハブ モデル 016
ハブの機構には、次のものがあります。
これらのポートを使用して、モデル 008 を使用する場合は 2 〜 8 台の 装置 (パーソナル・コンピューター、サーバー、プリンター、POS 端末など)、 モデル 016 を使用する場合は 2 〜 16 台の装置からなる 10BASE-T ネットワークを 構築することができます。それそれの装置は、 長さ 100 m までの UTP ケーブルによってハブに接続されます。
図 1 と図 2 は、 ハブの前面パネルにある 10BASE-T ポートを示しています。 すべての 10BASE-T ポート ("MDI" というマークが付いたポートを除く) は、 Medium Dependent Interface-X (MDI-X) ポートです。 このポートは、クロス機能を実行します。
MDI ポートは、最後の MDI-X ポート (ご購入のモデルによって、 "8MDI-X" または "16MDI-X" というラベルが付いています) と 重複しますが、クロス機能は実行しません。 これら 2 つのポートは、直接接続されています。 このため、1 つのハブでこれらのポートの両方に同時に装置を接続することは できませんが、ストレート・ケーブルを用いて 2 つのハブを 接続することができ (連鎖)、クロス・ケーブルが必要ないため、 MDI ポートの追加は非常に便利です。
図 1 と図 2 は、 イーサネット・デスクトップ・ハブの前面パネルにある MDI ポートを示しています。 図 3 は、MDI/X ポートを使用した 連鎖を示しています。
10BASE-T ポートと AUI ポート (モデル 016 の場合) を使用して、 他のイーサネット・デスクトップ・ハブや、他のタイプの 10BASE-T ハブに、 イーサネット・デスクトップ・ハブを接続することができます。これは 連鎖と呼ばれます。ハブを連鎖するもっとも一般的な方法は、 一方のハブの MDI ポートからもう一方のハブの MDI-X ポートに ストレート・ケーブルを接続する方法です。 詳細については、"別の 10BASE-T ハブへのイーサネット・デスクトップ・ハブの接続"または "リンク・セグメント内のケーブルの種類"を 参照してください。
AUI ポートを使用すると、イーサネット・デスクトップ・ハブと その 10BASE-T 接続を、10BASE5、10BASE2、または 10BASE-F のネットワーク・セグメント に接続することができます。この機能は、ネットワークの拡張に 役立ちます。AUI ポートは、図 4 に示されている ように、背面パネルにあります。
図 4. イーサネット・デスクトップ・ハブ モデル 016 の背面パネル
イーサネット・デスクトップ・ハブは、卓上、装置ラックの棚などのような 面に置くことができ、壁、レジスターのスタンドなどのような面に 取り付けることができます。
前面パネルの発光ダイオード (LED) は、ハブと個々のポートの 状況とアクティビティーを表示します。 ハブに関する LED は、電源 LED と衝突 LED です。 各 10BASE-T ポートに関する LED は、リンク/アクティビティー LED と 区分 LED です。また、モデル 016 には、AUI ポートに関するアクティビティー LED と 区分 LED があります。
LED が表示する情報は、ハブの状況の判別と問題のトラブルシューティングに 役立ちます。"LED の解釈"は、それぞれの LED について説明しています。
イーサネット・デスクトップ・ハブは、ポートが正しく機能していない場合に、 10BASE-T ポートまたは AUI ポートを自動的に使用不可にします。 具体的には、ポートが 30 回以上連続して衝突を起こしている場合、 またはポートがジャバーを発生している場合は、ハブがそのポートを自動的に 使用不可にします。そのポートが正常なフレームを受信したときは、 ハブはいつでもそのポートを再度使用可能にします。
極性反転は、正の信号 (陽極) が流れるはずの ケーブル内のワイヤーに負の信号 (陰極) が流れている場合、 すなわち逆転状態が発生している場合に起こります。 反転した転送データ・ワイヤーを含むケーブルが 10BASE-T ポートに接続されている 場合は、反転した信号を受信したときに、ハブが極性反転を検出して 訂正します。
表 1 は、 図 5 に示されている イーサネット・デスクトップ・ハブの LED を挙げて、説明しています。 以下の定義は、表中で使用されている用語のものです。
図 5. イーサネット・デスクトップ・ハブ モデル 016 の LED
LED | 状態 | 説明 |
---|---|---|
電源 (緑) | オン | ハブは電気コンセントから電源を供給されており、電源機構は 正常に機能しています。 |
オフ | ハブが電源コンセントに接続されていないか、電源コードまたは 電源機構に問題があります。 | |
衝突 (黄) | 点滅 | ハブが、ポートの 1 つ (AUI または 10BASE-T) に接続されている 装置に衝突が発生したことを検出しました。衝突に関係する装置は、 衝突解決手順 (IEEE 802.3 で指定されている) を自動的に実行します。 |
オフ | ハブはポートの衝突を検出せず、正常に動作しています。 | |
AUI/アクティビティー (緑) | 点滅 | ケーブルまたはトランシーバーが AUI ポートに接続されており、 ポートはケーブルの反対側に装置が接続されていることを検出し、 ポートは装置から信号を受信しています。 |
オフ | ケーブルが AUI ポートに接続されていないか、ケーブル、ポート、 またはケーブルの反対側の装置に問題があります。 | |
AUI/区分 (黄) | オン | ポートに接続されている装置の衝突が多すぎるか、 ジャバーを発生しているために、ハブがポートを区分しました。 |
オフ | ポートは使用可能です (通常の状態)。 | |
10BASE-T リンク/アクティビティー (緑) | オン | ケーブルが AUI ポートに接続されており、 ポートはケーブルの反対側に装置が接続されていることを検出し、 ポートは装置から信号を受信することができます。 |
点滅 | 10BASE-T ポートは、そのポートから現在フレームを受信しています。 | |
オフ | ケーブルが 10BASE-T ポートに接続されていないか、ケーブル、ポート、 またはケーブルの反対側の装置に問題があります。 | |
10BASE-T 区分 (黄) | オン | ポートに接続されている装置の衝突が多すぎるか、 ジャバーを発生しているために、ハブがポートを区分しました。 |
オフ | ポートは使用可能です (通常の状態)。 |
以下は、物理的特性と環境要件の要約です。
寸法 | 高さ: 29 mm
(モデル 008)
幅: 222.2 mm 奥行き: 135 mm 高さ: 49.8 mm
(モデル 016)
|
重量 | 0.76 kg (モデル 008)
1.4 kg (モデル 016) |
稼働時のすき間 | 前面: LED を見るために十分なスペース
側面: 50.8 mm 後部: 50.8 mm |
電源 | 外付けの ac/dc 電源アダプターは、世界中の標準電圧を
サポートします。公称の入力電圧と周波数範囲は、それぞれ 100 〜 250 V ac およ
び 50 〜 60 Hz です。電源アダプターの出力は DC 5V 〜 1A です。(モデル 008)
内蔵の自動範囲設定電源機構は、世界中の標準電圧を サポートします。公称の入力電圧と周波数範囲は、それぞれ 100 〜 250 V ac およ び 50 〜 60 Hz です。(モデル 016) |
消費電力 (最大) | 5.9 ワット (36 BTU/時)
(モデル 008の場合)
17.5 ワット (59.5 BTU/時) (モデル 016の場合) |
稼働環境 |
乾球温度: 摂氏 10 〜 40 度 (華氏 50 〜 104 度) 相対湿度: 8% 〜 80% 最高湿球温度: 摂氏 27 度 (華氏 81 度) |
保管環境 |
乾球温度: 摂氏 1 〜 60 度 (華氏 33.8 〜 140 度)
相対湿度: 5% 〜 80% 最高湿球温度: 摂氏 29 度 (華氏 84 度) |